9/12 勝ち負けのある遊び

 遊びの中で勝ち負けにこだわるお子さんは多いと思います。特に発達障がいのお子さんは苦手なことと得意なことが顕著にあらわれやすく、普段の生活や集団の中で、みんなと同じように行動できないことで劣等感を抱いていることもあります。「なぜ自分だけできないんだろう?」「みんなとは違うんだ…」と自信をなくしていることも多いのかもしれません。そのため、勝ち負けがあるものでは、少しでも自分が優位に立ちたいと思っているお子さんも多く、負けることを柔軟に受け止められないこともあります。
 私たちが普段やっている運動あそびでは、お子さんの自己肯定感を高めることを意識しています。お子さんのレベルに合わせて、できそうなものや少し頑張ってできそうなものをやるようにしています。上手にできなくても挑戦したことを褒めるようにしています。
 勝ち負けのある運動をやることもあります。先日は、相撲をやったのですが、相撲のような勝ち負けがはっきりするようなものについては、“こどもプラスお相撲大会のルール” を定め、その中で「勝つことも負けることもあるけど、勝つのがかっこいいんじゃなくて一生懸命がんばるのがかっこいいよ」ということを事前にお子さんたちに話しました。とは言っても、まだ利用を始めて数ヶ月しか経っていないお子さんが多いので、この日のお相撲大会も「今日は先生との対決」と決め、対職員との勝負で、ギリギリのところで子どもたちが勝てるようにしました。勝ち負けにこだわっているお子さんが、いきなりお友達との勝負で負けてしまうことは、自己肯定感をさらに下げてしまう可能性があります。「勝つことも負けることもある」という経験をたくさん積んで「勝つ」ということにこだわるのではなく、徐々に「勝ち負けのあるスリル」を楽しめるようになれたらいいなと思っています。