発達障がいのあるお子さんの中には、視覚や聴覚、触覚などの五感が他の子どもたちよりも過敏もしくは逆に非常に鈍感という場合が割と多く見られます。最近ではそのようなお子さんにはその過敏を軽減するようなグッズがいろいろと開発され、比較的安価な値段でも手に入るようになってきているのはありがたいです。
聴覚過敏のお子さんの場合、どのような音が苦手なのかを観察したり、聞き取ったりすることでまず判断します。大きな音が突然に鳴ることでパニックになるというお子さんもいるし、子どもの泣き声やドアの開閉の音など一定の音に対して強い不快感を持つ場合もあります。人ごみのザワザワした音が異常に大きく聞こえ不快という場合もあります。その子にとって不快な音が鳴るような場面がわかっているような場合には、イヤーマフというヘッドホン型の遮音器具をつけることで効果があることもあります。ただ、このような過敏には成長に伴い、体が順応して段々と薄れていくという傾向もみられるため、音をずっと遮断し続けることによって、その音に弱くなり、慢性化させるかもしれないという懸念もないわけではありません。そこで、不快な音が鳴ることがわかっているような場合(たとえば、避難訓練でのサイレンなど)、事前にそのような音がなることを伝えておくだけで、パニックになる確率は減ります。それでもやはり辛い時は、とりあえずなんとかしたいというのが当事者の気持ちですし、普段から音を防ぎ、リラックスできる環境を自分で整えることが、聴覚過敏の治療の一助となるという考え方もあるので、お子さんごとにタイプやその時の必要感を察知して、支援をしていきたいと思います。